新型コロナウイルスの影響で、一時的にスーパーに買いだめに走るという事態が発生しましたが、そんな時でも、本書で紹介されている知識があれば慌てることもありません。

 魚柄氏が推奨する、保存性が高く食料備蓄に最適な乾物を中心にした料理方法は、その発想からして素晴らしい。例えば、スルメ。普通は炙って酒のつまみにするのが一般的ですが、魚柄流は違います。胴体と足をばらして、胴体は3枚くらいまとめて、鰹節削り器で削ります。足と細かく削ったものをビンに入れて保存。それを野菜の煮物に入れたり、野菜炒めに使います。

 豆類なども手間がかからず簡単にできる調理方法が紹介されていて、さらにすごいのは、その豆を使ってチーズやマヨネーズまで作ってしまうのです。また、調理をする時も発砲スチロールの箱を使った保温調理をメインに少ない時間と燃料でできる方法を指南。

 料理の本ではありますが、魚柄氏の軽妙な語り口で綴られる文章は、読み物としても面白く、私はこの本をきっかけにすっかり魚柄ファンになってしまいました。我が家でも炊飯ジャーが壊れたのを機会にもう10年以上土鍋で米を炊いてます。簡単で、しかも美味い。これも魚柄氏の本を読んでのこと。保温調理も然り。

 焦って冷凍食品やカップ麺を買いに走らず、落ち着いて乾物類や穀類をじっくりと買い置きしていくことで食料備蓄もでき、家計の節約にもなり、健康的な食生活になります。同書は1994年6月に初版発行。古い本ですが、文庫版なら手に入りそうです。他にもたくさんの著書が出てますのでぜひ読んでみて下さい。